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導入事例 1 [株式会社 イー・ネットワークス]

EQ経営への取り組み

 アリババのジャック・マーが「社会で成功するためには高いEQ(心の知能指数)が必要だ」と言っています。当社もIT企業ですが、長期的に企業が成長を続けるには、社員の「成果」や「能力」をきちんと評価し、処遇に反映させるというモチベーション2.0の施策に加えて、社員の内からの動機づけであるモチベーション3.0施策の必要性を感じていました。もっと本人の行動の背景にある「感情リテラシー」を伸ばす支援が必要だと考ています。

Nudgeによる後押し

 ITは若い業界ですが、成長とともに社員が増えてくると、それでも少しずつ世代間ギャップも出てきます。そこで、最初はメンバーとリーダーのコミュニケーションの「きっかけツール」としてNudgeを導入しました。
Nudgeはまず、簡単なEQ検査をしますので、その結果をもとにして1on1面談を行ないますが、正直なところ個々の要素の結果はあまり重視していません。しかし、定期的に測定していると変化があるので、「今回は、ここの要素が低くなったね。何か思い当たることがある?」といった感じで、面談の導入のきっかけとしています。もちろんその会話の中から、本人の「心のブレーキ」が見えてくることがあります。そのときには一緒に原因と対策を考えます。
次にマインドセット(心のアクセル)について確認します。どうなりたいか、どうありたいかという願望が本人の中で明確でない場合もあるので、時間をかけて「願望の明確化」の支援をします。キーワードは「成長」と「貢献」です。そこにベクトルを合わせていれば、少しずつ本人の「願望」が明確になってくるので、会社のベクトルとのすり合わせを行います。
 1on1面談の最後は、必ず次回の面談までに「何に取り組むか」を決めて、記録に残します。
全体を通じて、あまり「強制」にならないことが大事かな、と思っています。Nudgeはもともと「そっと後押しをする」といった意味なので、面談では本人の「気づき」「アイデア」「選択」を促すように、リーダーにはお願いしています。
 IT業界は変化の激しい業界です。その中で成長を続けるには「ビジョン」「創造性」「ハードワーク」は不可欠です。それらはすべて「人の感情」が背景にあります。「風通しの良い社風」「チャレンジする社風」「社員の創造性を最大限に発揮させる社風」づくりのために、1on1面談を通じた「感情リテラシー」の向上は、これからの重要な戦略課題だと考えています。